自由民主党
総裁 小泉純一郎 殿
      憲法を全面的に改悪する新憲法草案の発表に抗議する

 貴党は本日の「立党50年記念党大会」で新憲法草案を発表し、憲法の全面的な「改悪」にむけて一歩を踏み出しました。
 新憲法草案では、第1に現憲法前文の「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」という重要な記述が欠落しています。さらに第2に、「われらは、全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」という優れた平和的生存権に関する記述が消えています。
 また第2章のタイトルは、「戦争の放棄」から「安全保障」に変えられ、「戦力の不保持」と「交戦権の否認」をうたった第9条2項が削除され、「自衛軍の保持」が明記されています。さらに自衛軍の任務は、「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」とし、海外での武力行使が容易にできる内容となっています。
戦後、日本国民は、次の世代に平和な社会を残し人類の生きる希望として、現平和憲法前文と「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」をうたった第9条を大切に育ててきました。戦後60年を期して発せられた貴党の憲法草案は、そのような人々の願いを踏みにじり、過去の戦争への反省も全く感じられないものです。それは日本を戦争への道に導く危険な内容です。
 時を同じくして発表された「日米同盟<変革と再編>中間報告」(10月29日)は「日米の軍事一体化」を示すものであり、貴憲法草案は米軍の国際的な侵略活動に日米の軍隊が実戦部隊として参加することを意味しています。
 さらに憲法改定のための発議要件は、現行憲法では衆参両院の総議員の「3分の2以上」の賛成を必要としていますが、貴草案ではこれを「過半数」に緩和しています。国の最も規範的な法律を簡単に変えることができるというゆゆしき内容です。
 私たちは以上の観点から、憲法を全面的に改悪する貴党の「戦争する国づくり」草案に強く抗議します。

 憲法9条−世界へ未来へ 連絡会
  2005年11月22日
 

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第9条 【戦争の放棄,軍備及び交戦権の否認】
1、日本国民は,正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し,国権の発動たる戦争と,武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては,永久にこれを放棄する。2 、前項の目的を達するため,陸海空軍その他の戦力は,これを保持しない。国の交戦権は,これを認めない。