9条連ニュース/161号 PEACE 


 沖縄からの発信 No.7

 新たな基地建設阻止! 米軍再編阻止

 
 〜名護からの報告〜

 仲村 善幸 (名護市議会議員)

 アメとムチで取り込まれた名護市
 米軍普天間基地の移設が計画されている名護市辺野古(へのこ)海域で、基地建設のための「環境アセス 」調査機材設置作業をめぐって業者と反対住民の攻防が連日展開されている。
 防衛省の計画によれば 、2010年埋め立て工事に着手、2014年までに施設完成を目指すとしている。防衛省は、3月 に名護市を米軍再編協力への見返りとして支払われる再編交付金自治体に指定した。07年度、08 年度分として16億円余が支払われる予定である。
 沖合い移動(注1)を求めて抵抗した名護市は、 政府のアメとムチ政策によって完全に取り込まれた。

 自然破壊への危機感広がる
 だが、これで基地建設がスムーズに進むほど甘くない。基地建設には、基地本体や、作業ヤード埋め立てに山が切り崩されるほか、沖縄での年間採取量の12倍にあたる2100万という膨大な量の土砂が沖縄海域から採取される。沖縄の全海岸線が1m後退する量だという。観光立県が成り立たないだけでなく 、「沖縄島そのものを滅ぼす危険性を持った計画だ」との危機感広がっている。
 それだけではない。去る3月8日に、埋め立て予定の大浦湾で、北半球で最大といわれている「アオサンゴ」群生が確認された。大浦湾、辺野古海域はジュゴンやクマノミ、ミナミコツキガニなど絶滅危惧種が生息する貴重な海だ。県でも「環境の厳正な保護を図る区域」に指定している場所なのだ。ジュゴン保護を勧告した国際自然保護連合決議、アメリカでのジュゴン訴訟判決は、辺野古への基地建設にノーを突きつける世界の声である。この地域に軍事基地を建設することは、もはやいかなる意味でも認め られるものではない。

 
利権争い、失業率の上昇・・地域崩壊の淵に立つ名護市
 一方、名護市では基地受け入れと引き換えの振興策予算の奪い合いで市当局、土建業者を巻き込んだ利権争いが表面化している。これまで北部に落とされた振興策費は2千億円。市当局を牛耳り利権を独り占めす「仲泊(なかどまり)グループ」(注2)に対する反旗が、「死活問題だ」との声と共に市内の土建業者からあがっている。
 他方、名護市の失業率は2005年で12・5%、空き店舗率は2 3%、生活保護世帯は8%で、10年前に比較して大幅に増え、県内でも最も高い水準である。振興策で市民が潤うというのは幻想でしかない。
 名護市は今、基地と振興策をリンクさせ、問題を地元に封じ込めることによって市民が対立させられ、地域の崩壊、地方自治の崩壊の淵に立たされている。

 
新たな基地はいらない!市民投票の民意を実現しよう!
 まさに、普天間基地の辺野古移設は、地域を崩壊させ、自然環境を破壊し、米軍基地を北部に封じ込める日米両政府の沖縄切捨て政策に他ならない。
 「新たな基地はいらない」「名護市の将来は市民が決めよう」と実施した名護市民投票(注3)の「民意」を、今こそ実現しなければならない。
 

注1  2007年、名護市長は、住民生活への配慮から、米軍基地普天間基地の移転先を、なる      べく沖合いに出すように日本政府に要求した。
注2  拠泊興産(建設業者)を中心とした、不動産業、ボーリング場経営、バス、生コンクリート          業などのグループ会社。
注3  1997年12月の「名護市における米軍のヘリポート基地建設の是非を問う市民投票」。
    結果は賛成45.31%、反対52.85%(各々、条件付を含む)。
 

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