9条連ニュース/116号 巻頭言

行動のための市民の問題
ブライアン・オオクボ・コバート

昨年9月11日、あの9.11から2年目の日の夜。アメリカ西海岸の私たちの電話から聞こえてきたのは、まぎれもなく、東海岸からのノーム・チョムスキー教授の声だった。世界的に著名な言語学者、社会評論家で、特にアメリカの外交問題に、するどい論評を持つノーム・チョムスキー教授が、北カリフォルニアの素朴な町のラジオ局で当時私が共同プロデューサーをしていた番組に、電話で生出演してくれた。

振り返ってみると、今、日本で前向きに社会を変えていこうと行動し、組織している人々にとっての重要な教えをいくつか見る事ができる。

番組にはリスナーからも電話で多くの質問が寄せられた。

アメリカ人は2004年の大統領選挙でブッシュを「再選」させてしまうのだろうか、という質問に対して教授は、「人々の決意による。ただ話し合っている事に意味はない。あなたの問題は行動のためのもので思索のためのものではない」と答えた。

また北朝鮮と中国の脅威について、北朝鮮の脅威はいわゆる「大量破壊兵器」ではなく、東シベリアから朝鮮半島を通るパイプライン建設計画の障害にならないかが、アメリカが感じる「脅威」であるとの考えを話してくれた。

ある若い女性は「政治的にアクティブであり、意識の高い社会にするために誰が責任を持つべきか」という質問をした。教授は「良識あるすべての人々。我々はすべて、活動すること、活動しないことの社会的重要性に責任をもたなければならない」と答えた。

一時間の番組はあっという間であったが、教授は、私達がこの社会をよりよいものに変えようとするならば、表面上は抗しがたいと思える不平等に対しても、平和と正義のために行動し続けていかなければならない事を教えてくれた。

また番組の最後の言葉で、20世紀に創られた全体主義システムのうち、負の遺産として人類に残された「企業資本主義」を打破していかなければならない事を、我々に改めて思い起こさせてくれた。

あれから一年過ぎ、また9.11から3年が過ぎようとしている。ラジオから流れたあのチョムスキー教授の言葉は、今、日本にいる私の耳にもこだまして聞こえてくるようだ。彼の言葉は、内省の為の思案と、積極的行動の為の根拠を日本の私たちに与えてくれる。

インディペンデント ジャーナリスト(活字メディア)。9条連近畿会員。元カリフ ォルニア州アルケータ市KHSU―FM ラジオの番組共同プロデューサー。

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