9条連ニュース/158号 巻頭言


それでも岩国市民は決して負けない
民主主義と地方自治を守るために・・・

 

岩国市議会議員
田村 順玄 (たむら じゅんげん)


 全国の人々が注視するなかで、岩国市長選挙は取り組まれた。
 アメリカの9/11テロから急遽(きゅうきょ)転換した「米・世界軍事戦略」、在日米軍基地の再編計画は、岩国市民へ大きな重荷を押しつけてきた。
 戦後62年、旧日本海軍の軍事施設から始まり米海兵隊に引き継がれ、基地の街の重荷を背負い続けた岩国。
 そのイワクニへさらに過重な厚木艦載機部隊の押しつけとは、到底、簡単に容認できる問題ではない。


 「今以上の基地機能の強化には反対だ。市民の安全・安心を確保する事は市長の当然の責務」…井原勝介前市長はこうした理念に基づき、15万市民のために頑張ってきた。
 しかし惜しくも結果は敗北、岩国市長の職は確保出来なかった。
 まず、市庁舎建設の補助金35億円の不交付。実際には厚木艦載機の受け皿として進められている「基地沖合移設」、その埋め立て用土砂を調達するために進められた「愛宕山地域開発事業」
。これらで大きな赤字・欠損処分を強いられ、拍車をかけるのが、米兵家族の住宅建設である。


「アメとムチ」…結局、国という大きな権力がなりふり構わず地方の自治に介入し、押し進めた市長選挙。
 目先の財政問題をことさらウソとデマであおり、艦載機受け入れ反対という堅固な市民意思もとりあえず引っ繰り返し、たやすく艦載機容認を唱える新市長を誕生させた。
 政府は開票のその夜から、凍結してきた市庁舎補助金の復活交付検討の動きを見せ、再編交付金の対象自治体とする方針も明らかにした。
 このどれもが即(すなわ)ち、新市長が米軍再編では国の思う様に振る舞うことを前提にして成される事であるが…。
 今回の選挙で示された「艦載機受け入れ反対」の意思を明白にした井原勝介前市長を支持した市民は4万5千人。当選した福田氏の獲得数とは僅(わず)か1、700票差、まさに誤差の範囲だった。この、ほぼ同数の平和を願う市民の思いを無視することは、断じて出来ない。
 就任早々、福田新市長は石破防衛大臣や高村外務大臣と面会し基地関連の補助金交付を求める行動に出た。
 恐らく当分は耳障りのよいアメをばら蒔き、懐柔(かいじゅう)を押し進めるだろう。


 しかしその背後に大きな艦載機受け入れ反対の市民の力が有ることを、ここは粘り強く示していかなければならない。
 井原市長擁立は叶わなかったが、岩国市民の平和を願う心意気は、些(いささ)かも薄らいではいない。
 メデイアが分析した投票結果を見ても、4万5千人の多くが米軍再編を争点として投票していた事実を重く受け止め、その思いを大切にしていきたいものだ。一昨年春の住民投票の結果はしっかり引き継がれ、市民の中に定着しているのだ。
 それでも「岩国市民は決して負けない!」と。
 

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