9条連ニュース/159号 巻頭言


「神奈川憲法アカデミア」発足に当たって
9条を世界の憲法原理に

 

神奈川憲法アカデミア事務局・関東学院大学経済学部教授
久保 新一 (くぼ しんいち)


 教育基本法改悪、国民投票法案強行採決で固められた改憲への道は、2007年7月29日の参議院選挙での自民・公明与党の大敗と9月の安倍内閣の崩壊で、ひとまず中断されたかに見えます。
 しかし、11月テロ特措法の審議過程で突如浮上した大連立構想は、改憲への動きが何時再浮上し改憲が強行されるか、予断を許さない状況にあることを物語っています。
 一旦大連立が組まれれば、戦前の 体制翼賛会的状況が一挙に創り出され、9条改憲が行われるだろうことは、間違いありません。

 増加している改憲反対の世論

 それに対し、各種世論調査結果は、数年前9条改憲に反対する運動が盛り上がりを見せて以降、反対意見が増加しています。
日経の世論調査(2007年5月3日朝刊)ですら、9条改憲賛成は当初より10%低下し51%、2年前の調査時点より3%低下、他方反対は8%上がって35%になっています。
読売新聞
の場合は、04年に改憲賛成が65%(ピーク)、06年56 %、07年46%と過去3年間で約20%減っています。
 一方改憲反対は07年39%で7%増え肝心の9条1項については80%が改正反対、同2項は改正反対54%、賛成38%です。NHK世論調査は、9条改正必要  02年30%、07年25%、改正反対、02年52%、07年44%とな っています。
 また、北朝鮮問題をめぐる6カ国協議の進展、ブッシュ政権の内外での行き詰まり、07年11月オーストラリア総選挙でのブッシュの盟友ハワードの敗北、アメリカ国内でのイラク撤退要求の高まり、住宅バブルの崩壊とサブプライム・ローン問題の発生、株価暴落、金利引き下げに伴 うドル独歩安とドル一極支配体制の崩壊等、01年9・11テロ、02年9・17拉致問題以降の内外緊張状態転換の徴候が明白になってきています。
 加えて、地球温暖化問題への取組は、一刻の猶予もならないところに来ています。

 守勢から攻勢へ転じよう
 こうした諸状況の変化を踏まえて、「9条改憲反対」運動はこれまでの「9条を守れ」という守勢の運動から、9条を世界の憲法原理にし、国際法を変え、国家の武装と軍事力の行使を禁ずる運動に発展させる、攻勢の運動に転換する必要があると考えます。
 そのためにまず、私達自身が世界と日本の大転換期にある現状認識を踏まえて、21世紀の世界と日本をどう構想し、そこに平和憲法の精神をどのように生かしていくかについてのビジョンを示す必要があると考え、今後3年間12回に亘る「神奈川憲法アカデミア」の講演・シンポジウムを企画しました。
 皆さまの積極的な参加を期待しております。詳細は⇒クリック

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第9条 【戦争の放棄,軍備及び交戦権の否認】
1、日本国民は,正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し,国権の発動たる戦争と,武力による威嚇又は武力の行使は,国際紛争を解決する手段としては,永久にこれを放棄する。2 、前項の目的を達するため,陸海空軍その他の戦力は,これを保持しない。国の交戦権は,これを認めない。