9条連ニュース/119号 リレートークNO.7

ローグ・ネイション『ならず者国民』
中山 弘正

C.レストヴィッツが『ならず者国民』という題の本を出して、自分たちアメリカ人こそがならず者だと批判する人々が世界中で急速に増えているとし、ブッシュ大統領らの退陣を求めていた(NY、二〇〇三年)。日米構造協議(一九八九年)の頃には厳しく対日要求をし、『日米逆転』などを書いた大統領と同じ共和党員である。

「冷戦に勝ったのに、アメリカの指導者たちは平和を誤って取り扱ってしまった」、海外の米軍基地はむしろ膨張し、非軍事外交面の軽視がひどくなり、「九・一一」以後のブッシュ大統領の「単独先制攻撃」ときたら、ニュルンベルクのナチ裁判なら全く「有罪」ものである。ドル・英語・軍事力でグローバリゼーションが推進されたが、それは結局アメリカナイゼーションで、貧富格差は米国内でも世界でも一層大きくなっている……。

兵器産業を主要輸出業種とし、特殊部隊を一四〇ヵ国以上に展開し、戦争の指南役の「われわれアメリカ人」が「平和愛好者」だと見られたいというのは無理な話だ……と彼はいう。

同じ共和党の中にさえ、これだけの批判があるのだから、民主党やその他の一般の声でブッシュ政権が打倒されれば、少しは、アメリカも世界の平和も希望が見えてくるのではなかろうか。と考えたりしていたところに、ロシアでの飛行機爆破、駅前爆破、そして南オセチアの学校占拠・爆破……と連続した。プーチン大統領は、「対テロ」戦争にと一層軍事路線を強めていくことで、ブッシュ路線との共振の度合いを増していた。それは当然ブッシュ大統領への願ってもない「援軍」であったろう。チェチェンとロシアの悲劇が、ブッシュ政権に「漁夫の利」を与える、というのは何ともやりきれない悲しさである。

しかし他人事ではない。小泉首相は多国籍軍への参加を、あのイラクで強行し、常任理事国入りを推進し、自公で憲法改悪を日程にのせてきた。「ならず者」路線ではないか。

「そもそも国を興す根本の力は何でありますか。軍隊ですか、外交ですか、経済ですか。否、それらの何れでもありません。それは国家の道徳であります。」いわゆる「満州事変」の後の矢内原忠雄の発言である(『民族と平和』)。「満州問題」で軍部との対立は激化し、大学を追われて七年。日中戦争が始ったときの「日本の理想を生かすために、一先ず此の国を葬って下さい」とも語った彼は、戦後の平和国家創出に力を入れたが決してそれを甘く見ていたわけではない。「平和を作る者自身の生きて往く道は、自分がその中で死ぬことである、平和を憎む者のために殺されることである。平和を作る者の死によって、この世に平和は作られる」とした。

僅かの差でブッシュの再選が決まったけれども、覚悟を固め、連帯して、前進していきたい。

(なかやま ひろまさ 明治学院大学教授)

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第9条 【戦争の放棄,軍備及び交戦権の否認】
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