9条連ニュース/133号 リレートークNO.21



横須賀市民の反基地運動


藤田 秀雄

  2005年は、一方で、小泉首相の強引な選挙戦術によって自民党が大勝した年であった。しかし、他方では近年まれなほど、反基地運動が各地で活発化した年であった。
  沖縄の辺野古(へのこ)の海上基地建設計画は、粘り強い運動によって撤回せざるを得なくなった。その後の計画についても、反対運動が続いている。座間(ざま)・横田の運動はこれまでになく多くの人の参加を得て強化された。
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  横須賀の運動は、原子力空母母港化反対が中心である。この点については、かつてない反対署名が集められた。市議会も反対決議をおこなった。しかし政府は、米側と受け入れを決めた。今後、住民・議会・市長が協力して運動を継続していかなければならない。
  ただ、現地で運動に参加していると、原子力空母反対は運動の中心でも、その他の活動とつながり、織り合わされて、展開していることの重要さを思う。
  その一つは、反イラク戦争である。開戦すると沖縄の海兵隊と横須賀の米海軍がただちに行動を開始し、ついで海上自衛隊の艦船が中東海域へ向かった。多くの人が岸壁に集まり「イラク戦争反対」「出動反対」を唱えた。
  もう一つは、憲法を守る運動である。この市には二つの「九条の会」がある。他方にわれわれの三浦半島9条連がある。9条連は、鎌倉、逗子、葉山、横須賀、三浦にまたがる四市一町の組織である。
  これら三つの組織が対立しているわけではない。たまたま、三つの組織ができただけであり、互いに連携しようとしている。わたし自身、連携の役に立ちたいという願いから、二つの「九条の会」にも入会している。
  さらに、三浦半島地区教組の運動がある。教組員の活動にとどまらず、市民運動としてひろげるため、とくに「日の丸」「君が代」強制問題を思想の自由の観点からとらえなおす運動を続けている。
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  三浦半島9条連では、原子力空母反対署名に協力しながら、独自な活動として、「憲法を読み語る集い」という連続学習会を続けている。9条が中心でも、今、憲法全体が問われているからである。したがって、1条ごとに読み進む。一方的に教えられる学習会では、憲法を守る主体になり得ない。「読み語る」ことに努めようとしている。
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  また、憲法を守るとは、改憲投票の時、反対票を投じればよいというだけではないであろう。憲法の内容を「不断の努力」(12条)によって生かし続けることであろう。
  こういう趣旨から、三浦半島9条連では、各自治体に、横須賀基地をなくす請願をおこなっている。もちろん、こういう請願が容易に通るほど現実は進んでいない。
  しかし、原子力空母以前の問題として、原子力潜水艦は横須賀港に年中出入りしている。その原子炉事故はいつ起こるかわからないし、そうなれば首都圏が崩壊することは、アメリカの科学者(ジャクソン・デービス)が警告している。
  10月には米艦が、違法電波を出し、羽田空港では、3回にわたり重大事故を起こしそうになった。(『朝日新聞』05年12月10日)。
  12月22日には、空母「キテイホーク」乗組員米兵が、八王子で3人の小学生をひき逃げしたが、警察は即日釈放した。(同12月29日)。
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  しかも、横須賀基地を認めることは、イラクの戦争で加害者の立場に立ったことになる。これらを思えば、基地の存在そのものが問われていると、考えざるを得ない。
(ふじたひでお 立正大学名誉教授・「平和の文化」をきずく会代表・三浦半島9条連代表)

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