三上智恵監督の映画「戦雲(いくさふむ)」は、2015年から8年もの長きにわたる取材を通して、沖縄西南諸島に生きる島民一人ひとりの日常が丁寧に描かれた作品だ。「台湾有事」を口実とした自衛隊ミサイル部隊の配備、弾薬庫の増設など、急激に軍事要塞化がすすむ沖縄西南諸島。「静か」だった島の日常が失われ、人を殺すための戦闘訓練の銃声が響き渡る。住宅のすぐ近くに配備された弾薬庫。当たり前の日常を奪われた「怒り・悲しみ・苦悩」言葉で言いあらわせない様々な感情が、画面からせまってきた。
いま、辺野古では民意を踏みにじり、国による代執行により米軍新基地建設が進められている。5月7日には地方自治法改正案が衆議院本会議で審議入りした。それ自体あいまいな「非常事態」と政府が判断した場合、国が自治体に指示できるという国の指示権を拡大した内容だ。国と自治体の関係は「対等」としてきた地方自治が、脅かされようとしている。
沖縄での国による代執行は、国と自治体の関係を既成事実にする事態と思わざるをえない。沖縄の問題は私たちの問題あることを胸に刻み、ともにたたかっていかなければと思う。 R.Y